私
はマンディーが大好きで、レッスンの前にはいつも、撫でたり、ブラッシングしたり、蹄をきれいにしたり、りんごや人参やパンをあげたりしていました。レッスンは50分で、馬への指示の出し方、歩いたり走ったりする方法、ターンのやり方などを学びます。自分のレッスンが終わると、次の時間もレッスンがある馬はその場に残って、次の時間にレッスンがない馬は、乗っていた人が厩舎に連れて帰ることになっていました。私は、マンディーに次のレッスンがないと知ると、とても嬉しかった。レッスンの後もまだマンディーと一緒にいられるからです。一緒に厩舎に帰って、馬具を外して、蹄をきれいにして、ブラッシングして、撫でて・・・。マンディーと少しでも長く一緒にいられることが嬉しかったんですね。
私が通っていた乗馬学校では、年に一回、クリスマスに発表会がありました。生徒の家族がたくさん集まって、その前でひとりひとり技を披露するんです。通い始めて1年目の発表会のとき、私はマンディーと一緒でした。私は白いベールに白いマント、ピカピカしたお星さまの飾りをいっぱいつけて、天使の仮装をしました。マンディーもクリスマス仕様のキラキラした飾りをつけていました。マンディーも白いから、ふたりとも真っ白ですね。クリスマスソングに合わせて、私はみんなの前で、手を上げたり、足を上げたり、後ろを振り返ったり、少しギャロップしたりしました。まだ乗馬を始めてすぐだったので、馬術というほどのことでもないんですけど、それはそれは鼻高々でしたよ。「見て!私とマンディー、こんなこともできるの!」ってね。
一回マンディーから落ちたことがあります。マンディーが何かにちょっと驚いて、しっかり手綱を引いていなかった私は背中から地面に落ちました。落ちた衝撃で一瞬本当に呼吸が止まり、周りにいた先生たちの悲鳴が聞こえました。人が落馬すると、馬って普通はビックリして走り去ったりするんですよ。でも、私が落ちた時、マンディーはどこにも行かなかった。一歩も動かずに、じっと私のそばにいてくれたんです。その時のことは今でもよく覚えています。